『遺言書は財産が多い人だけ』は本当?答えはNO!
- こうご行政書士事務所
- 3 日前
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「遺言書って、財産がたくさんある人だけが作るもの」「うちは財産が少ないから必要ない」
このように思っている方は、とても多いのではないでしょうか。しかし実際には、財産の多い少ないに関わらず、遺言書を作ることはとても大切です。むしろ、財産が少ない方のほうが「ちょっとした不公平感」で相続トラブルが起きやすいケースもあります。
本記事では、遺言書がなぜ誰にとっても必要なのか、遺言書がないとどんな問題が起こるのか、そして安心して遺言書を作るための方法について、行政書士の視点から詳しく解説していきます。
1. 遺言書は「家族を守るためのメッセージ」
遺言書は「財産を分けるための書類」と思われがちですが、実はそれ以上の意味があります。
誰にどの財産を渡すのかを明確にできる
家族が無用な争いを避けられる
自分の思いや感謝を残せる
特に日本では「話し合えば何とかなる」と考えて遺言書を残さない方が多くいらっしゃいます。いざ相続が始まると、兄弟や親族の間で意見が食い違い、関係が壊れてしまうことも少なくありません。
つまり、遺言書は財産の多寡ではなく、**「家族に安心を残すためのもの」**だと考えるべきなのです。
2. 遺言書がないとどうなる?
では、遺言書を作らずに亡くなった場合、相続はどう進むのでしょうか。
法定相続分に基づき、相続人全員で「遺産分割協議」を行う必要がある
相続人全員が合意しなければ、分割ができない
話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所で調停となる
このように、遺言書がないと「家族全員の合意」が絶対条件となり、ちょっとした意見の食い違いで話が止まってしまいます。
特に次のようなケースでは、遺言書がないと大きなトラブルになることが多いです。
一人が親の介護をしていた場合
兄弟姉妹の仲があまりよくない場合
不動産(自宅)が主な財産の場合
子どもがいない夫婦、または再婚家庭の場合
財産が多い少ないに関わらず、これらの事情があると「自分だけ損をしている」と感じる人が出やすく、結果として紛争に発展してしまうのです。
3. 財産が少ない人ほど遺言書が必要な理由
一見すると「財産が少ないなら、分けやすいから揉めないのでは?」と思われがちですが、実は逆です。
例えば、次のような例を考えてみましょう。
財産:預貯金300万円、自宅(評価額800万円)
相続人:子ども2人
この場合、単純に2人で半分ずつに分けると、それぞれ550万円ずつになる計算です。しかし、自宅は簡単に分けられません。誰かが住み続けるなら、取得しない片方は不公平感が生じやすいのです。
一方、財産が多い場合は分ける「余地」があるため、かえって柔軟に調整できることもあります。
つまり、財産が少ない、特に簡単に分けられない不動産が財産の割合を多く占めている家庭ほど「平等に分けられない状況」が生じやすく、トラブルの火種が大きくなるのです。
4. 遺言書を残すメリット
遺言書を残すことで、次のようなメリットがあります。
誰にどの財産を渡すかを自分の意志で決められる
不動産を誰が相続するかを明確にできる
相続人全員が集まらなくても手続きを進められる
家族の負担や心労を減らせる
感謝の言葉や思いを伝えられる
自分自身が亡くなった後の話ではありますが、遺言書があれば、残された家族は「どうしたらいいのか」と悩まずにすみ、スムーズに相続手続きを進めることができます。
5. 遺言書の種類とおすすめの方法
遺言書には大きく分けて3つの種類があります。
自筆証書遺言(自分で書く遺言)
手軽に作れるが、形式の不備や保管の不安がある
公正証書遺言(公証役場で作る遺言)
専門家が関与するため安心。確実性が高い
秘密証書遺言(内容を秘密にできるが利用は少ない)
一般的には、安心と確実性の点から公正証書遺言をおすすめします。行政書士や公証人が関与するため、形式不備で無効になる心配がなく、相続手続きでもすぐに使えるからです。
6. まとめ:遺言書はすべての人に必要遺言書 相続 財産少ない
遺言書は「お金持ちの人のもの」ではありません。むしろ、財産が多くないご家庭や、兄弟姉妹の関係が複雑なご家庭こそ、遺言書が必要なのです。
遺言書は財産を残す書類ではなく、家族を守るメッセージ。「まだ早い」と思っている今こそ、準備を始める絶好のタイミングです。遺言書 相続 財産少ない
こうご行政書士事務所では、初めて遺言書を作る方にもわかりやすくサポートしています。調布市を中心に、出張相談も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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時間は10:00~10:45。 参加費1,000円(資料付)
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お問い合わせは 070-9194-1570 こうご宛(受付時間:月火木金10時~18時)
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