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相続人がいない場合、財産はどうなる?終活の視点から考える備え

  • 執筆者の写真: こうご行政書士事務所
    こうご行政書士事務所
  • 9月9日
  • 読了時間: 4分

 

相続人がいない 財産 調布市

「自分には子どもがいないし、親もすでに亡くなっている。兄弟とも疎遠…。もし自分が亡くなったとき、財産はどうなるのだろう?」このような不安を抱えている方は少なくありません。近年は独身やおひとり様世帯も増加しており、「相続人がいない場合の財産の行方」 は終活を考えるうえで大切なテーマとなっています。

 この記事では、現行の民法に基づきながら、相続人がいない場合に財産がどう扱われるのか、そして終活の観点からどのような準備ができるのかを分かりやすく解説します。

1. 相続人がいないとどうなるのか?

 日本の相続は民法で厳格にルールが決められています。基本的には、配偶者・子ども・直系尊属(父母や祖父母)・兄弟姉妹といった「法定相続人」が優先順位に従って財産を承継します。

 しかし、これらの相続人が誰もいない場合、残された財産は 最終的に国庫に帰属 します。つまり国のものとなり、国の財源として使われていくのです。

2. 財産が国に移るまでの流れ

 相続人がいないからといって、すぐに国のものになるわけではありません。実際には、次のような段階を踏んで処理が行われます。

(1) 相続財産清算人の選任

 遺言書もなく相続人が見つからない場合、利害関係人(債権者や隣人など)や検察官の申立てによって、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選任します。この管理人が故人の財産を整理・清算します。

(2) 債権者への対応

 もし亡くなった方に借金があれば、財産から支払われます。

(3) 特別縁故者への分与

 相続人ではないものの、故人の介護をしていた人や長年同居していた人などは「特別縁故者」として、家庭裁判所に申し立てを行えば財産の一部を受け取れる可能性があります。

(4) 残余財産の国庫帰属

 以上の手続きを経ても残った財産は、最終的に国庫に帰属します。

3. 相続人がいない人が準備すべきこと

 「せっかく自分が築いた財産なのに、国に全部いってしまうのは…」と感じる方は多いでしょう。その場合、以下のような備えをすることで、自分の意思を反映させることができます。

(1) 遺言書の作成

 もっとも効果的な方法は 遺言書 を作ることです。信頼できる友人やお世話になった人、あるいは特定の団体へ遺贈することが可能です。遺言がなければすべて国へ移りますが、遺言があれば「大切な人や社会のために残す」ことができます。

(2) 寄付を活用する

 大学や福祉団体、地域のNPO法人に財産を寄付する方も増えています。遺贈寄付は近年注目されており、自分の人生を社会貢献という形で残すことができます。

(3) 家族信託

 財産管理を柔軟に行える仕組みとして、家族信託を利用するケースもあります。信頼できる親族や第三者に財産を託すことで、生前から死後までの財産管理をスムーズに行えます。

※ 死後事務委任契約

 財産だけでなく、葬儀や納骨、住居の片付け、医療費の清算といった「死後の手続き」も重要です。これらは相続人がいないと滞ることが多いため、信頼できる人や専門家に死後事務委任契約を結んでおくことで安心です。

4. こんな方は特に注意が必要です

  • 独身で子どもがいない方

  • 両親・兄弟姉妹がすでに亡くなっている方

  • 親族と長年連絡を取っていない方

  • 「特定の人や団体に財産を残したい」という思いがある方

 これらに当てはまる場合は、遺言書等を整えておくこと が安心につながります。

5. 専門家に相談するメリット

 相続人がいないケースは、財産整理や死後の事務が複雑になりがちです。法律に基づいて正しく準備しなければ、せっかくの想いが反映されないまま国に移ってしまいます。

 行政書士などの専門家に相談することで、次のようなメリットがあります。

  • 自分に合った遺言の形を提案してもらえる

  • 信頼できる死後事務委任契約や家族信託の設計ができる

  • 「何から始めたらいいか分からない」という段階から一緒に整理できる

 終活の準備は、元気なうちに始めてこそ安心につながります。

まとめ相続人がいない 財産 調布市

 相続人がいない場合、残された財産は最終的に国に帰属します。しかし、遺言や寄付、家族信託などを活用すれば、自分の意思で大切な人や社会に財産を残すことが可能です。

 「相続人がいないから自分には関係ない」と考えるのではなく、むしろ相続人がいないからこそ、きちんと備えておくことが必要です。

こうご行政書士事務所では、遺言書の作成・死後事務委任契約・家族信託のサポート を行っています。  「私の場合はどうすればいいの?」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談で現状を整理するだけでも、心が軽くなるはずです。

 あなたの財産と想いが、国に流れるのではなく、本当に届けたい人や場所に届くように。その第一歩を一緒に踏み出しましょう。相続人がいない 財産 調布市

 
 
 

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